奨学金を借りて大学に通う人は多いでしょう。
ですが、大学卒業後思い通りに返済することが出来ず、奨学金の支払いが滞ってしまう人が後を絶ちません。
なぜ奨学金って返済できなくなってしまうのでしょうか?
ここでは筆者の身近な親族・友人の具体例を紹介してみます。
奨学金はなぜ返せないのか?
奨学金返済が滞ってしまった3つの事例
まずは奨学金が返せなくなった、督促が来るようになった具体的な事例をご紹介します。
友人Y氏の場合
まずは友人のY氏。
彼は都内ではCランクの大学を奨学金で卒業し、就職氷河期ながらなんとか就職活動には成功しました。
特に希望の業種があるわけでもなく、当時最後の砦と言われた商品先物取引の営業として採用されました。
ですが、元々自堕落な生活のY氏。
毎朝起きて満員電車に揺られるようなサラリーマン生活なんて向いている訳もなく、わずか半年という短さで会社を退職してしまう。
その後もなかなか安定した仕事に就くことが出来ず、結局のところ30歳になり知人のつてを辿り配管工として働くことになる。
その後、ほどなくして結婚し二児の子供を設けた。
職を転々としていたY氏だが奨学金はどうしていたのか?と聞いてみたところ、なんと大学卒業後一度も返済したことがなかったんだとか。
自宅のポストには督促状が山のようになっていたが、ずっと放置したまま結婚。
結婚後、その状況を初めて知らされた奥様がやむを得ず全額返済してくれたんだとか。
たまたま結婚した奥様の家がそこそこ裕福な家庭だったため、奨学金をチャラにすることが出来ましたが、そうでなかったら今も返済が残っていたでしょう。
結局Y氏の奥様は、結婚後にお金に関するルーズさや、あらゆることに対するいい加減さに愛想をつかし、今は離婚協議中なんだそうです。
親戚M氏の場合
親戚のM氏は、現在30代半ばだが今もまだ絶賛返済中の身です。
彼はまだなんとか返済できているが、一時は保証人に督促状が届き、いつ破綻するかわからない状況でした。
M氏は、大学卒業後会社の都合で関西へと転勤になった。
転勤すると何かとお金がかかる。
引っ越し費用は会社が持ってくれたそうだが、慣れない関西での一人暮らし、そりゃ実家暮らしより生活は数倍大変。
毎月数万円という奨学金が徐々に重荷になってくる。
そんな状況だというのに、何を血迷ったかM氏は、就職してわずか1年で年上の奥さんと出会い結婚してしまった。
結婚してしまったら生活はもっと大変なのは当たり前。
自分の暮らしだけならいざ知らず、社会人2年生で結婚してしまえば、奥様を養えるはずがない。
しかも、奥様は会社の上司だったらしく、奥様は会社に居場所がなくなりあえなく退職。
しばらく働かず専業主婦になってしまったもんだから、そりゃ奨学金なんて払える訳がない。
てことで、連帯保証人のお父様や保証人の親戚にガンガン督促状が届くようになった。
彼は仕方なく、生みの親である父親(M氏の両親は離婚していて現父親は母の再婚相手)に泣きつき、なんとかお金を工面してもらった。
数年後、子供も生まれ今でも生活は不安定。
まだまだ奨学金の返済までは気が遠いほどの年月が残っているそうです。
部下のK氏の場合
以前勤めていた会社の部下K氏も奨学金を受けながらFランと呼ばれる、あまりお世辞にも成績はよろしくない大学を卒業した。
大学卒業後は建築関連の仕事をしていたが、数年後に転職を決意し、私と同じIT業界にやってきた。
とても素直でやる気もあるK氏は、会社でもドンドン出世街道を登っていき、収入も右肩上がりで上がっていったのだが、なぜかK氏の顔色は優れない。
事情を聞くと奨学金の返済がかなり滞っているんだとか。
かなりイケメンのK氏は、IT業界に来る前の建築会社で相当遊びまくっていたらしい。
仕事が終わると夜の街に繰り出し、時には朝までいることもあったんだとか。
服装も派手だったK氏は、貰った給料はすべて遊びとファッションに浪費していた。
もちろん奨学金返済なんて後回し。
20代は浪費の限りをつくしてしまった。
そんな生活にいい加減見切りをつけようと改心したのが30歳目前。
給料の安かった会社からなんとか給料を上げて奨学金を返済しなきゃとIT業界へ。
IT業界に入り、出世して給料は上がったが、ようやく返済に回せるようになったのは30も半ばを過ぎてから。
そして45歳になりようやく奨学金を全額返済することが出来たんだそうです。
そんなK氏は、かなりのイケメンなのにすっかり婚期を逃してしまい、今は冴えない独身生活を送っている。
奨学金が返せない人とは?
前述した3人のように奨学金が返せなくなってしまう人は、明らかに計画性に欠けている人たちです。
とはいえ、大学を卒業し、ようやく就職してある程度の収入が得られるようになった人が、いきなり計画的な暮らしなんて出来るものではありません。
奨学金って簡単に返せるものではないんです。
今の時代、大学に行かなくたって稼げる道は山ほどあります。
無理して奨学金を借りてまで大学に行くべきなのか?
もう一度考えてみて下さい。
前述した3人のようにならないようにしっかりと考えてみて欲しいのです。
次回、奨学金がなぜ返せないのか?というロジックに踏み込んで見たいと思います。