ITエンジニアを雇用しSES、派遣系を中心にビジネスを組み立てているIT会社の最大の悩みは人材の流出でしょう。
各社あの手この手を使って従業員の退職を防ごうと試みますが、その試みが機能しているという話はあまり聞いたことがありません。
でもまぁ、冷静に考えれば当然の話で・・・
ITエンジニアは所属会社なんてぶっちゃけどこでもイイんですから。
ITエンジニアはスキルと経験さえ身に着ければ所属会社なんてぶっちゃけどこでもイイんだよね。
1円でも高く買ってくれる、そして居心地の良い場所であればいいんで会社辞めるな!なんて言われても一切耳に入らない。— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) September 11, 2021
とはいえ、そう言い切ってしまうと身も蓋もないので、退職防止施策がなぜ意味がないのか?
経営側・従業員側両方の目線を体験したエンジニアの本音をお伝えします。
意味のない退職防止施策
1、社内イベント
SES系会社でもっとも多く取り入れられているのが社内イベントです。
- 飲み会
- 歓迎会
- 忘年会
- 花見
- 運動会
- 社員旅行
社員の親睦を深めたいからなのか、飲み会などの社内イベントを積極的に実施する会社は多いようですが、残念ながらこれらの社内イベントは退職防止に一切効果はありません。
その証拠と言ってはなんですが、ここ1~2年コロナウイルスの影響で飲み会等を実施するコトは困難になっていますが、それにより退職者が増えたということはないはずです。
イベントって楽しいと感じる人も少なからず存在しますが、積極的に参加したい人なんてごくわずかなのです。
特に今の若い世代は、あまり深い交流を望まない傾向にありますので、運動会ましては宿泊が伴う社員旅行なんてもってのほかです。
ピカタロウ
イベントに毎回よろこんで参加してくるような社員は、会社にとって貴重な人材ではありますが、スキルレベルはあまり高くなかったりします。
スキルのあるエンジニアは、むしろイベントとかやらない会社を好む傾向にあります。
2、帰社制度
SES系の会社の場合、社員はみんな現場に出ているので同じ会社なのに顔を合わせる機会もほぼありません。
そのため、年に数回、多い会社だと月に1回帰社日という制度を設けている会社もありますが・・・
社員側からすればありがた迷惑です。
会社に戻って何するわけでもなく、ただ上司の長い話を聞かされたり、現場の状況報告をさせられたり・・・
エンジニアとしてはできれば会社に戻るのではなく、自分の現場に会社側の人間が来て欲しいのが本音です。
ピカタロウ
帰社日ほどエンジニアに迷惑な制度はありません。
今はオンラインがメインになっていますので、極力オンラインで実施することをおススメします。
3、新卒一括採用
新卒一括採用で、横のつながりを強くして退職を未然に防ぎたい。
という気持ちも理解できますが、それならば新卒で採用した同期を全員同じプロジェクトに配属すべきです。
そんなこと無理に決まってますよね?
SES系の会社の場合、新卒で一括採用した社員も数か月の研修後、それぞれバラバラのプロジェクトに配属されてしまうので、結局のところつながりなんてそこで切れてしまうのです。
ピカタロウ
新卒一括採用で同期が出来るというメリットはありますが、下手に繋がってしまうとその同期が揃って退職してしまう危険もありますので、新卒一括採用は諸刃の剣と言えるかもしれません。
4、組織制度
〇〇システム部何課みたいに組織に属して組織単位で活動する会社は多いと思いますが・・・
SES系会社の組織なんて名前だけで一切機能しません。
例えば第1システム部1課所属だったエンジニアが、プロジェクトが変わって第3課に異動になるなんてよくある話。
プロジェクトに配属したはいいが、半年程度でプロジェクトが終わってしまい、次は第2課のプロジェクトに配属。
1年で3回も部署が変わるなんて普通にある話です。
部長、課長など役職制度を作って組織管理したい気持ちもわかりますが、エンジニアは自分のプロジェクトを面倒見るので手一杯。
組織制度なんて絵に描いた餅でしかないのです。
5、福利厚生
社員満足度を向上させるために、各社それぞれの福利厚生制度を採用しますが・・・
こちらも大きな効果は期待できません。
というのも福利厚生なんてよほどの大企業でもない限り大きな変化はないからです。
スポーツジムが数パーセント割引になったり、旅行が数パーセント割引になったり・・・
そんな制度だけで社員を引き留めることはできません。
結局何をすれば社員の退職を防止できるのか?
エンジニアの退職を防止したいのなら、結局のところ以下の2点しかないのではないでしょうか?
- 収入を上げる
- エンジニアにとって魅力的な会社になる
結局のところ大事なのは収入です。
福利厚生だとかイベントなんかにお金を使うのならば、エンジニアに還元してほしいのが本音なのです。
ですので、何よりも経費を削り、エンジニアに還元できる仕組みを作ることを考えるべきです。
もちろん、お金だけで動かないエンジニアもいます。
そんなエンジニアは、自分がやりたいことが出来る会社にいたいものなのです。
ですので、そんなエンジニアを引き留めるためには、エンジニアにとって魅力的な会社になることです。
自社の製品を開発出来たり、会社の業績がよくなったりすれば、エンジニアはむやみやたらに転職しなくなるはずです。
つまり小手先の小細工よりも、本腰を入れて魅力的な会社を作ることに没頭すべきということなのです。
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