上場会社でよくみられる社員持株会。
社員が自社の株式に出資することで、安定した株主構成を作り上げるとともに社員の資産形成に役立つ制度です。
でもこれって上場会社に限った話じゃないの?
いえいえ。
未上場会社でも社員持株会を形成している企業は結構多いのです。
そんな未上場会社の社員持株会の特性と危険度についてお伝えしましょう。
未上場会社の社員持株会
なぜ未上場会社に社員持株会があるの?
未上場会社なのに社員持株会を作っている会社の多くは、将来的な株式公開、つまりは上場を視野に入れているということです。
そもそも未上場会社の株価って、上場会社のように市場に公開されている訳ではないため、1株いくらなんだか明確にわかる術がありません。
ですので、未上場会社の社員持株会といわれても、社員はなんのこっちゃとなり、ほとんど加入することはないでしょう。
もちろん、未上場会社の場合でも、出資額に会社が奨励金として10%とかつけてくれることがあるため、資産形成の一つの商品としてみれば悪くはありません。
毎月1万円出資して、そこに10%奨励されるのであれば1万1千円になり、年間で約1万円、10年続ければ10万円の利息が付く商品と思えばかなり優秀です。
さらに会社が見事上場を果たし、株価が跳ね上がった際には、かなり大きなリターンを得ることが出来ます。
でもこれってあくまでも上手く上場できたらという前提。
上場できなければ、未上場会社の社員持株会なんて危険でしかありません。
会社の原資にされる
未上場会社の社員持株会の出資は、その名の通り会社への投資です。
市場を通して売買されている訳ではなく、ただ単に会社へと社員のお金が移行するだけ。
当然中小企業の資金繰りなんて良好なわけがありませんので、社員から投資された資金は会社の運転資金に充てられてしまいます。
なので未上場会社の社員持株会の出資は、会社へ貸し付けている資金となんら変わらないと思った方がいいのです。
まずはこれを前提に考えて持株会への加入を検討してください。
なかなか上場しない
来期こそ上場の準備に入るぞ!
なんて上場するする詐欺のように毎年社員を煽っているような会社の場合、かなり危険度が高まります。
上場するためには、それなりの期間が必要ですし、もちろんそれなりの事業計画も重要です。
上場するするといってなかなか上場しない、いや出来ない会社は、そもそも上場する気がないか、上場に値しない企業という可能性があります。
特に前者の上場する気がないっていうのは最悪で、上場の準備を一切していないってこと。
上場するためにはそれなりの組織を作る必要がありますので、いつまでたっても会社に上場プロジェクトが立ち上がってこないようなら上場する気ないです。
逆にちょこちょこ動いているようだけど上場できない会社は、それなりの規模に会社の成長がついていってません。
そんな傾向が見えるようなら、持株会に入ってもあんまりメリットはありません。
なかなか返金されない
社員持株会に10年近く在籍していて、出資額が300万円になる。
しかしこの度会社を退職することになってので、出資した額を返金してほしい。
奨励金が10%なので330万円あるはずだから、できれば退職と同時に返金して!
と会社に申請したのに、返金されるまで1年以上かかったとか、最悪のケースだと5年たっても10年経っても返金されなかった。
という話は実際にあるようです。
これは、前述したように会社が運転資金として利用してしまっているからなのでしょう。
数十万円であれば、会社もすぐ用意できるけど、数百万円となるとすぐに現金化することが難しい。
それどころか、そんなお金払えない!となったら出資したお金はやぶの中に消えていってしまうのです。
そうならないためにも、今現在未上場会社の社員持株会に加入し、出資しているのであれば、身近な退職者、特に出資額が多かった人に事情を聞いてみるといいでしょう。
半年も1年も返金されなかった!
という場合、確実に運転資金に回されていますし、会社も支払うのが大変ということは、資金繰りに結構苦しんでいる証拠。
そんな会社の持株会なんて早いところ脱退することを推奨します。
てか会社辞めて転職した方がいんじゃねww